日本企業がフィリピンに進出できない本当の理由

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日本企業が中国を皮切りにアジアに進出し始めてからもう20年以上たちますね。特にここ最近の10年は製造業が東南アジアに製造拠点を移すという話を頻繁に聞くようになりました。日本で製造せずにわざわざ海外に進出する理由は当然ながらアジアの物価の安さです。同じものを日本で作るよりも半額か3分の1のコストで収まるのであれば当然の流れです。フィリピンに関しては人件費は日本の5分の1以下、東南アジアで唯一の英語圏(ベースがアメリカ英語)、大学進学率55.4%(09年)など一見投資先としては有望に見えます。ところが、フィリピンは日本企業が進出しにくい国の上位に常駐しています。

フィリピンが投資先として嫌われる理由、それはエネルギーコストに他なりません。

フィリピン大手新聞社サンスター社の2011年2月16日付の記事によると、フィリピンの一般家庭での電気料金はアジアの他の国々を凌駕するU$18.1/キロワット。アジアでもっとも物価の高い日本でも電気料金はU$17.9/キロワット。
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つまり、フィリピンは日本よりも電気代が高い

理由はおおまかにわけて3つ。ひとつは原子力発電所がないこと、そして人口が毎年1.9%で増加していること、そしてもうひとつはアジアで唯一国営電力会社であることです。火力や風力(水力)発電にのみ頼っているため、電気の安定供給が難しいわけです。このご時世、毎日のようにフィリピン各地で停電しています。また人口増加の勢いは止まらず、2013年にすでに1億人を突破、2023年には日本の人口を抜くという予測が出ているくらい人口が増えています。ただでさえ供給量が足りていないのに、人口(需要)だけは増えていくので当然価格はあがっていきます。そして、最大手の電力会社が国営電力公社という高コスト体質でコスト削減努力がされないため、販売価格は上昇する一方です。(一部民間の電力会社もあり)

家庭の電気料金だけでもこれだけ高いため、製造拠点で使う電力も総じて高い。人件費がどれだけ安くても、エネルギーコストが膨らむのでは投資の旨味がないというわけですね。

でも最近はこの流れが若干弱まってきました。中国やタイでの一連のストライキで人件費が高騰してきており、他のアジア圏に生産拠点を移す動きが出てきました。そして電気代の問題はあるにせよ、物価がまだまだ安いフィリピンがようやく注目されてきています。

フィリピンの電気料金の問題さえ解決されれば、一気に投資先として有力になる。そう踏んだ日本のオリックスがフィリピンの電力会社GBP社の20%の株式を取得しました。再生エネルギーを中心に日本の技術を駆使し、省電力化、低コスト化を目標に企業活動をしていくことが公式に発表されました。(2013年6月28日付 日経新聞)

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日本の企業が少しでも進出しやすい環境が出来上がってくるといいですね。

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